progit2-ja
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現行訳指摘: ch04-git-server
指摘箇所1
原文 (1) First, you choose which protocols you want your server to communicate with. (2) First, you choose which protocols you want your server to support.
- (1) は progit2-ja ソース、ch04-git-server.asc 内に、コメントとして挿入されている当該箇所の原文。
- (2) は progit2 ソース、ch04-git-server.asc の現状最新文。
現行訳 まず、サーバーとの通信にどのプロトコルを使うのかを選択します。
指摘
- 「サーバー との 通信」こう訳すということは、クライアントからの接続をイメージしているはずで、クライアント側がプロトコルに何を選ぶかという意味に聞こえる。したがってサーバーの話をしているのに一瞬戸惑う表現。原義はサーバー自体がどのプロトコルを受け入れるように構築するかという話。
- 「選択します」 選択するという語を用いると、一つだけ選ぶような印象になりそうで、本当は「設定する」とする方が的確であると感じる。
試訳 (1) まずサーバーがどのプロトコルによって通信を行うかを選択します。 (2) まずサーバーがどのプロトコルをサポートするかを選択します。
- (1) は前述の原文 (1) に対応する。
- (2) も同様。
補足説明
- 原文の (1)、(2) を示したように、オリジナルソースと日本語訳とのかい離があるようで、どちらを採用すべきかがわかっていません。
- とりあえず試訳は両方を示しました。
指摘箇所2
原文 A remote repository is generally a bare repository
現行訳 リモートリポジトリは、一般的に ベア(bare)リポジトリ となります。
指摘
- 「リモートリポジトリは .. となります。」やや不自然な言い回し。揶揄して言えば「こちらがスカイツリーとなります」というときの "..となります" に似ている。そうでないとすると、別のニュアンスが出てきて、リモートリポジトリがベアリポジトリに変化する、といった話にも聞こえてきてしまう。冒頭が不定冠詞 A なので、この一文はリモートリポジトリの定義説明(平明に意味説明)を行う文章である。
試訳 リモートリポジトリとは一般に ベア(bare)リポジトリ のことです。
追記
- かつての issue として #98 ベアリポジトリが「クマ」とまぎらわしい を拝見しました。「ベア(bare)」のように、括弧書きにより原単語を添える結果となったようですね。特段大きく反対するものではありませんが、その指摘には不自然さを感じます。私はベアと聞いても「クマ」を思ったり取り違えたりする感覚はありません。「ベアメタル」などという語もあるくらいですから。一つだけ反論のための例をあげておきます。この issue の考え方に従うと、ホテルのスイートルームも、甘いもの(sweet)と勘違いするから、「スイート(suite)ルーム」と書くべき、とする考えになるものと解釈できます。少なくとも私はそのように解釈し、これには反対の意を表わします。甘いものに勘違いする人がいても、特段困りません。同じようにベアリポジトリを「クマ」に間違えても特段困りません。
- 私は括弧書きに原単語を付して、説明的に訳文に加えることは、当然なすべき場面が多いため、必要なときには為さなければならないと承知しています。そこに対しては一度明確な規則を設けてみたいと考えますが、今思うに、どういうときにそれを行うかといえば、第一にそれが専門用語である場合、またその単語をキーワードとしてgoogle検索などを行う可能性が高いと思われる場合、比較的新出の単語であって日本語訳を行ってみたものの一般には定着していないと思われるために付記を要すると考える場合、そして付随する図表などの中、あるいはコマンド名称や出力メッセージの中にその単語が用いられていてそれとの紐付けを行う必要がある場合、といったところです。「ベア(bare)」は、原単語を示す価値は極めて低いと感じています。